導入事例

CASE

スキマ運用でもリードの質がUP!「良質なオウンドメディア」のためのSEO施策プロセスを徹底解剖

はじめに


オウンドメディアによるSEO施策は、集客や問い合わせ獲得のための重要なチャネルです。しかし成果を得るまでには時間と労力がかかり、専任担当がいない企業では、メンバーがほかの業務のかたわらにスキマ時間で運用していることがほとんどです。 本腰を入れた運用ができず、オウンドメディア自体の「ブランディング/認知拡大」や「リード獲得」が不足して、成果を出すに至らないというケースが散見されます。

オウンドメディアの運営のゴールは、メディアのアクセス数・問い合わせ数を増やすことではなく、成約につながる質の高いリードを獲得することです。そのためには、安定したクオリティの記事が量産できる体制を構築し、メディア運営を継続していく必要があります

今回は株式会社INQ様と行った、リード獲得のためのオウンドメディア改善プロセスを公開します。この事例を通じて、

CASTER BIZセールスマーケがどんな工程でSEO施策を進めているか

CASTER BIZセールスマーケが考えるオウンドメディア構築と運営の肝は何か

がわかります。

SEO施策がうまくいかない、リード獲得ができていないなどの課題を抱えるオウンドメディア担当者のかたは必見です!

この事例のサマリー


  1. オウンドメディア専任担当者が不在、コンスタントな記事作成ができていない。メディアからのリード獲得もできておらず、メディア戦略設計の見直しが必要
  2. メディアのペルソナから再検討。ペルソナに合わせたキーワードで記事を量産する体制を構築
  3. CTA設計の見直しにより、成約につながる問い合わせが増加

株式会社INQからの 支援レビュー

メンタリングサービスや、シード期のスタートアップファイナンスに関する情報を発信するメディア「INQ MAGAZINE」の運営など、スタートアップ向け創業支援を展開する株式会社INQ。今回ご紹介するリード獲得事例は、INQ社の支援の一環で行われました。

代表取締役社長 若林さんから頂いたコメント


CASTER BIZセールスマーケチームと取り組む前からオウンドメディアは運営していましたが、専任もおらず、メンバーが業務のかたわらで時間を捻出して記事を書いていました。安定的に記事を作成することも難しく、戦略的な取り組みができていなかったのです。

CASTER BIZセールスマーケチームには、SEO観点でのキーワード選定から、記事量産体制の構築、CTA改善、ダウンロード資料の作成など、メディア運営を全面的にご支援いただいています。2020年は、新型コロナウイルスの影響で融資の需要が高まったことも手伝い、大きくPVを伸ばせました。単にPVが増えただけでなく、創業融資の具体的なニーズを持った人からの問い合わせが増えたと感じています。

創業融資を検討している起業家が 知りたいこと

オウンドメディアの専任担当がいないINQ社に対し、CASTER BIZセールスマーケではSEO強化による集客アップや、主事業である創業融資支援の問い合わせ獲得のため、メディアの戦略設計の見直しから編集・運用体制づくりまでを支援することになりました。

コンテンツづくりはメディアを読むお客様のニーズを知ることから着手します。今回の「お客様」とは、INQ社にとってのターゲットユーザーである「創業融資を検討している起業家」です。 そこでまず「ゆうたろー」という具体的なペルソナを設計し、ニーズを深堀りしました。

(INQ MAGAZINEのペルソナ「ゆうたろー」)

次に、融資を検討するペルソナ「ゆうたろー」の解像度を高めるため、共感マップを使ってブレストを行い、ニーズを深掘りしていきます。

浮かび上がったニーズに対して、INQ MAGAZINEが「どのような接点で、どのように価値を提供するのか」という問いを用いながら、より詳細にイメージを膨らませました。

このように設定した「ゆうたろー」に関する10の質問をもとに、オウンドメディアに関わる全員でディスカッションを重ねて、共通認識をすり合わせました。

コアになるのは「ターゲットキーワード」選定


SEO施策でコアになるのが、ターゲットキーワードの選定です。ターゲットキーワードは、次のような選択軸で選定します。

・ペルソナが検索しそうなキーワード

・お問い合わせにつながりそうなキーワード

お客様が実際に検索する言葉のことを「検索クエリ」と呼びます。今回はクエリを網羅的に調査するために、クエリを構造化した「クエリマップ」を作成しました。

クエリマップは、次のような手順で作成しています。

① キーワードの洗い出し・構築

  1. 主要キーワードとして、設定ペルソナのニーズ整理から「創業融資」を選択
  2. 関連キーワードを洗い出し、次の方法でキーワードの洗い出しを実施
  • 検索上位の記事から調べる

主要キーワード「創業融資」をGoogleで検索し、1ページ目に表示された記事に含まれるキーワードを探します。

  • キーワードリサーチツールで調べる

キーワードプランナーラッコキーワードを使って調査します。

② キーワードの評価

  1. 検索ボリュームの評価

キーワードの組み合わせ候補の検索ボリュームを調べます。**検索数が多いキーワードほど競合が多く、検索結果の上位表示が狙いにくいですが、逆に少なすぎても流入が見込みづらいです。**検索ボリュームのバランスを見て、適切なキーワード群を選定します。

b. 創業融資への関心度の評価

選定したキーワードで検索した人が「創業融資の問い合わせに至るまでのニーズを持っているか」の観点からキーワードを評価します。

例えば「融資手続き」は、本格的に創業融資を検討している人が調べるキーワードだと考えられますので、高評価です。

一方「資金繰り」は、創業時に限らず財務用語を調べる人が検索するキーワードと考えられ、創業融資として強いニーズを持っているとは限りませんので、評価は低めです。

このように、創業融資への関心度という観点でキーワードを精査し、クエリマップを整理します。

記事の戦術設計書「記事構成」


狙うべきキーワードを整理したら、記事の骨組みである構成を作ります。

記事構成の作成手順

① キーワードの検索結果から、ユーザーの現状・心情・悩みの仮説を立てる

② 記事スタンス、記事の提供価値(記事で伝えたいこと、記事を読んだ人が解決できること)を整理する

③ ユーザーの課題仮説を解決するタイトル・見出しを構築する

記事構成は、できるだけ詳細に設計して作りこんでおきます。そうすることで、執筆するライターのレベルにバラつきがあっても、記事のクオリティに一定の質が保てるのです。また、記事作成後の手戻りも少なくなるため、業務効率UPにつながります。

オウンドメディアの目的「CTA設計」


掲載した記事が多く読まれたとしても、問い合わせにつながらなければオウンドメディアとしては発展途上です。 よりリードを獲得するために、お問い合わせ・資料ダウンロードなどお客様の行動を促す「CTA(Call To Action)」の導線設計を見直しました。

見直し方として有効なのは、競合メディア・関連メディアの調査です。 各メディアのCTAについて、導線(見せ方)と訴求内容を調査し、自社でまだ取り組んでいない施策、かつ効果が高そうなものを検証します。

50以上のメディアのCTA設計を徹底調査!

          

CTAバナーの設計過程の一例。ダウンロード資料も作成。

こうしてCTAを見直し戦略的なメディア設計を行ったことで、良質な問い合わせが獲得できるようになりました。

           

安定した継続運用は、成約数につながる

継続的なメディア運用を行った結果、2020年のコロナの影響による融資の需要急増も重なって、右肩上がりでアクセス数が増加しました。 さらにCTA設計を見直したことで、具体的な創業融資を検討しているユーザーからの問い合わせが増加。INQ社からは「以前より成約につながりやすくなっている」という報告もいただいています。

当初の課題意識にあった「専任がいないため、戦略的に取り組めていない」という点についても、記事制作の型をしっかりつくったことにより、社内の体制を変えることなく、戦略的かつ安定的に運用が継続できています。

お問い合わせはこちらから

CASTER BIZセールスマーケは、リード獲得、ナーチャリング、インサイドセールスなど、課題や状況に合わせた有効な施策を提案・実行するセールス・マーケティング領域のプロ集団です。

SEO施策はもちろん、幅広くご相談いただけます。お気軽にお問い合わせください。